名探偵コナン「あの方」について―阿笠博士は本当に黒幕か―補論

とりあえず他の黒幕候補を検討してみることにする。

◎代表:工藤優作

工藤優作の個人的要素について検討することはしない。ここは工藤優作に代表させて、黒幕候補として上げられることが多い人物をばっさりと消去する方法をとる。
まず、作者の新聞でのインタビューを見てみよう。前の記事で引用したとおりであるが、最後にこう言っている。
実はボスの名前は既に原作のどこかにでている。捜してみて下さい。…」
「どこかにでている」という言い方には、原作の中の微細な“どこか”、つまりなかなか目に付かない部分に登場しているというニュアンスがありはしないか。もし、工藤優作、あるいは阿笠博士ベルモット…などなど原作にメインとしてある程度認知されている登場人物がボスだとしたら、このような「どこかにでている」という言い方を作者はわざわざしないのではないかと思う。そして究め付けに「捜してみてください」と続く。すなわち、わざわざ捜さなければならない程度の登場数ということだろう。
とすると、有名どころはすべて候補から除外されることになる(強引か?)。阿笠博士のわけはないし、毛利蘭でも、灰原でもないはず。新一の両親や警察関係の人間、FBI等々、検討されている「あの方」候補らは、はっきり言って考察しなくてよいだろう。
そうするとますます阿笠定子あたりが怪しくなってくるのである。